日本医療情報学会看護部会病棟デバイスWG

病棟デバイスWGのご紹介

ごあいさつ

看護師が取り扱う業務には、治療と生活の狭間にあり、かつ粒度が細かいという特徴があります。このため、看護業務に関するデータの蓄積と活用は、非常に難易度の高い課題となっていました。

昨今、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)が普及し、この技術を看護や、あるいは看護との共通点が多い介護の分野で活用しようという取り組みが増えています。多くのIoTデバイスが開発され、看護や介護の質や効率性の向上に資することを期待しています。

他方で、看護業務の情報基盤としては既に電子カルテシステムをはじめとする医療情報システムが普及しています。また、同じ"デバイス(機器)"として捉えると、どの病院や施設にもナースコールは存在しますし、現在ではこれも医療情報システムの一つになっています。

そこに様々なIoTデバイスが増えていくと、看護師にとっては、操作する機会が増えることになります。つまりヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)が複雑になり、むしろ質や効率性を損なうことになりかねません。全体最適の観点から、既存資源である医療情報システムと調和できる形で導入すべきです。

それでもIoTデバイスは、看護業務、とりわけ間接業務が多い病棟業務を大きく変えるポテンシャルがあります。IoTデバイスと医療情報システムを繋ぐことで、業務革新につながる議論につなげていきたいと考えております。

日本医療情報学会看護部会病棟デバイスWG長 瀬戸 僚馬
(東京医療保健大学医療保健学部医療情報学科 教授)

活動目的

病棟で用いられる生体デバイス及び可搬型情報機器(以下、病棟デバイスという)のセンシング技術や通信技術を用いて、看護師や協働する多職種との間 で病棟業務をどのように革新していくか、また、情報デバイスを用いた記録などのように記録等の形で蓄積していくか、議論を深めます。日本生体医工学会ユビキタス情報環境と医療システム研究会とも連携し、デバイスを使う立場からも、開発する立場からも議論できる場を作っていきます。

※このため、当WGでの議論は「業務」と「記録」に特化しています。生体医工学会研究会と役割分担し、IoT技術そのものに関する議論は当WGでは行いません。

活動メンバー(第1期:2016-2019)

石田開(国立研究開発法人情報通信研究機構)
柴崎敦(相模原中央病院)
瀬戸僚馬(東京医療保健大学)
保坂良資(湘南工科大学、日本生体医工学会ユビ キタス情報環境と医療システム研究会長)
中元雅江(岡崎市民病院)
宮越幸弘(福井大学医学部附属病院)
※メンバーの所属は、2019年度時点のものを記載しています。